「野獣、泣いてるね。」

ディズニーランドで両手を広げて立つ3歳の娘。スプラッシュマウンテン近くで撮影した一枚 感受性つよめ育児

ディズニーランドの「美女と野獣」。

アトラクションに乗るまでの道で、野獣がベルをディナーに誘いに行くシーンが流れる。

ベルは部屋から出てこない。

野獣は何度もベルを呼ぶ。

それでも出てきてもらえず、最後に大きな声で

「ガオーー!」

と叫ぶ場面がある。

その時。

長女がぽつりと言った。

「野獣、泣いてるねぇ。」

私は思わず、

「そうだね。本当は悲しかったんだよね。」と返した。

あぁ、この子にはそう見えたんだ。

怒っているんじゃない。

悲しくて叫んでいるように見えたんだ。

その時、一緒に歩いていたキャストさんが笑顔で話しかけてくれた。

「ここで10年くらい働いていますが、『怒ってる』と言うお子さんはたくさんいました。」

「でも、『悲しんで泣いてる』と言った子は初めてです。」

私は思わず長女の顔を見た。

なんだか胸がじんわり温かくなった。

感受性が強いからこそ、生きづらいこともある。

でも、その分。

人が気づかない気持ちに気づける子なのかもしれない。

もちろん、親だからそう思うのかもしれない。

それでも私は、この子のそんな見え方を大切にしてあげたい。

怒りの奥にある悲しさに気づける人。

そんな優しい心を、このまま大切に育てていってほしい。

その感性は、きっとこの子だけの宝物だから。

実はこの日も、ディズニーランドで娘と追いかけっこ状態だった。

もちろん鬼は私。

突然、満面の笑みで走り出す。

止まらない。

追いかける。

また逃げる。

目的地なんてない。

ディズニー中で娘の名前を叫びまくった。

周りの人も、少し驚いた顔をしていた。

今日は順調にいっていたのに。

なかなか捕まらないし、

「あぁ、やっぱり。」

とどっと疲れて、

「また老けたなぁ。」

そんなことを思っていた。

でもさ。

野獣を見て、

「泣いてるねぇ。」

と言えるこの子だから。

怒っている人を見ても、その奥にある悲しさに気づけるこの子だから。

この感性だけは、どうかそのままでいてほしい。

私はやっぱり、この子を誇りに思う。

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